
この研究者は脳の一部を働かなくする方法(経頭蓋磁気刺激,
transcranial magnetic stimulation )を使って、視覚認知に必要な脳の部位を新たに見つけた。それは頭頂葉皮質(parietal cortex)だ。
このニュースによると、今まで視覚に必要な部位は視覚野だけだといわれていた。しかし今回の実験で、頭頂葉皮質の機能を働かなくした時に視覚機能も働かなかったため、この頭頂葉皮質も視覚に関わっているのだという。ちなみにこの研究ではチェンジ・ブラインドネス(変化に気付かない現象:この実験の説明は過去記事を参照)を使った。
ふーん、そういう解釈か。視覚にはいろいろな機能が関わるからいろいろな部位の脳が必要なのは昔から言われている。例えば中脳(midbrain)も視覚などの情報処理と作動記憶に関わるし、頭頂葉(parietal lobe)も作動記憶に関わる。
特に今回の研究はチェンジ・ブラインドネスを使った実験だったので、映像を短期間覚えておいて比べないとできない課題だ。作動記憶が大いに関わる課題だ。なので視覚に必要な機能の中でも特に作動記憶にも関わった脳の部位を測ったのだろうと僕は思う。
それよりも驚きなのは、脳の一部の機能だけを働かなくする方法があるんだな。僕は知らなかったよ。外部からの刺激で脳をコントロールするなんてすごいね。以前、プレイステーション9の話を書いたけれど、未来には実現しそうな流れだな。
PS9では映像を目ではなく直接的に脳に認識させるという設定だけれど、映像を目を使わずに見せるのはかなり先の話だろう。現実的にその前段階を考えると、PS7くらいでは目で映像を見るものの、脳の活動を制御して、より視覚と指の反応に集中させて一般人の3倍の速さで視覚情報を処理させたり、または脳を故意に遅く働かせることで楽しみを増したり、などそういう脳をいじるゲームというのは実現可能なまでに科学は発達すると思う。将来は、ゲームを作るための心理学なんかが授業になるかもね。
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元のニュース:Right Parietal Cortex Plays a Critical Role in Change Blindness
検索キーワード:心理学、生物心理学、認知心理学、知覚心理学、savant, rain man, kim peek, autism, 自閉症、UCL (University College London, Nilli Lavie,
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