
今日はちょっと指向を変えて、心理学の実験を紹介するよ。
集中力を測る実験です。まずはここでビデオをダウンロード(7MB)します。
イリノイ大学の視覚認知ラボ
やり方を読むまで再生ボタンは押さないでください。
ビデオでは、バスケット・ボールで遊ぶ人が何人かいますが、あなたの課題は白いTシャツを着た人たちがパスをする回数を数えることです。これはきちんと数えられる人があまりいないと言われています。数えるのは白いシャツのパスの回数で、黒いシャツのパスは関係ありません。ビデオは緑の再生ボタンを押すと始まります。
では再生してください。
さぁ、数えましたか?
この実験の主旨は下記。(ネタバレあり)
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
パスの回数の数は13回?はっきり言ってこれは関係なし。白いものに集中すると黒いものが見えなくなるんだけれど、ビデオの途中で全く関係ないものが出てくるのには気付いたかな?心理学の実験の結果を見ると半数くらいが気付かないようだ。気付かなかった人はもう一度ビデオを見てみると、白に集中しなければ明らかに気付くはずの事象に驚くはず。僕も気付かなかった人の一人です。
ちなみに表題にある、集中力を測る実験というのはあながち全くの嘘ではなく、集中力の高い人のほうがある課題に集中している時に他の物が見えなくなる傾向が強い。反対に、ADHD(多動性障害)など注意力散漫な人はある課題に集中するように言われていても、周り物への注意力が高く、いろいろな物が目に見えている傾向が強い。ただし、これは一般論で、このビデオの結果と個人の集中力の関係はまだ示されていない。
人は条件次第でいろんなものが見えなくなってしまうんだよね。今回はある一つの色に集中した時に別の色の物が見えにくくなる現象。この研究では色だけが原因ではないことも示されている。
他の実験では、瞬きのような一瞬の画像情報の戸切れを境に映像が変わっても人はそれを認知しにくいというのもある。これはこちらの記事を参照。
変化には気付くけれども何が変わったかは指摘できない(しんりの手 fc2)
こういう心理学の実験てテレビCMや映画やアトラクションに活用されたら面白そうだな。昨日も似たことを書いたけれど。
---------------
関連ウェブ:目の前にゴリラ(医学都市伝説さん)
この実験についてより詳しく説明されている。
検索キーワード:心理学、知覚心理学、認知心理学、注意、attention, inhibition, inattentional blindness, Daniel Simons, Christopher Chabris, Harvard University, cognition, perception, gorillas, ゴリラ、錯覚、illusion, 非注意性盲目、
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)