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医者を信頼していない患者は薬を飲むのを止める
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患者が処方された薬を飲み続けるかは複数の要因が関係している。今回の研究では4つの要因を調べた。医者への信頼、薬の金額、患者の精神状態、年収がそれぞれ薬を飲む行動への影響があった。

912人の糖尿病の患者を調べた。彼らの大部分は年収が低く2万5千ドル以下(300万円以下)だった。

影響が大きかったのが医師への信頼と薬の金額の複合条件だった。つまり薬の代金が月に100ドル(1万円)を超える場合で、担当の医師を信頼しているかどうかの違いだ。信頼している患者は薬代が高くてもほぼ薬を飲み続け、たった11%が飲むのをやめた。対して、担当の医師を信頼していない患者は薬代が高いと30%もが薬を飲むのをやめてしまった。

影響が大きい他の複合条件は、薬代と精神状態だ。同じ薬代が高い条件でも、鬱と鬱でないのとでは、鬱の症候が出ている患者のほうが2倍もの確率で薬を飲むのをやめてしまった。

更に悪いことには、大部分(3分の2)の患者は薬代が高くてもその苦情を医師に言わずに黙って薬を飲むのをやめてしまう。

以上がニュースの概略。これは難しい問題だよね。まず、薬代って本当に高いよ。資本主義のシステムの中では薬代が高くなるのは当然だろう。国は資本主義を選ぶからには資本主義で必然的に生まれる問題を国が何かしらの形で援助をする必要があると思う。この点はそのうちに詳しく語りたい。

次に信頼関係も、やはり難しい。信頼関係って医師がちゃんとしていれば作られるものではなくて、患者との相互関係だ。今回の結果でも分かるように、医師がしっかりとしていたとしても患者が鬱だったらそれでその患者は薬を飲むのをやめてしまう可能性がぐんと高くなってしまう。

ま、医師の人にとってはつらいニュースかもしれないけれど、結局はできる範囲のことをするしかないよな。話しやすい雰囲気をかもし出す、対等に見えるように振舞う、担当医師以外の第二者(例えば看護婦)が患者の話を聞いてあげる、患者の財務状況を事前に聞いて対応する、などだろうか。

それから僕も医者からもらう薬って本当に効くのか怪しいなぁと思う時があるんで、薬開発時の統計結果を添付するなんて良いかもね。統計の効果量などを見れば、患者も納得して医師をより信頼するかも。

あと心理学の見地から僕が考えるのは、意思疎通がこれだけ多くの社会場面で問題になるのなら、学校の科目として教えてしまっても良いと思うよ、いっそのこと。悲しい現実だけどね。

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元のニュース:UMHS Press: Why don’t some patients take their medicines?

検索キーワード:心理学、意思決定、diabetes, depression, John Piette, University of Michigan, Archives of internal Medicine, 医療心理学、コミュニケーション、意思疎通、医師患者関係、統計エフェクト・サイズ、effect size,
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コメント
この記事へのコメント
この記事、とても面白かったです。相手の信頼を得るのって、本当に難しいですよね。科学的に正しいことを論理的に主張すればいいというものでもないし。信頼を得るためのある程度のマニュアル的なテクニックもあるけれど、それが透けて見えると却って信頼を失いますし。特に、自分の生命、人生に関することに関しては人は厳しい。そして、そんなに大きなことじゃなくても人は信頼していないものには、場合によっては、例え100円だって払わない。コスト意識というか、ある物事に対する付加価値を決定する因子の最大のものが「信頼」なんでしょうね。
2005/10/16(日) 10:22:42 | URL | 小枝 #qbIq4rIg[ 編集]
小枝さん、コメントありがとうございます。
信頼っていろんなことの基本になっているのに、獲得するのはすごく難しいですね。研究者としてよく痛感するのは、小枝さんの言う通り、科学的に正しいことを論理的に主張することがベストではない場合が往々にあること。その辺の説得の技術も心理学で深く研究されているので、そのうちに紹介していきます。でもこうやって心理学で研究されている技術以上のこと(または技術ではなくそれ以外の繋がり関係)が普通にできる人間でいたいなぁ。
2005/10/17(月) 11:32:33 | URL | 綺麗山 #-[ 編集]
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