
社会科学の研究者と自然科学の研究者を比べると、社会科学のほうがより神を信じ、教会などの宗教的活動に参加していた。
自然科学とは物理学、化学、生物学などの物と物の反応を論理的に見る学問だ。それに対し、社会科学とは政治学、経済学、歴史学、教育学などの人と人の関係を見る学問だ。もちろん社会科学でも論理的な思考は大事だが、どちらかと言えば人がどう反応するかが要なので、人間味のスキルが大切な学問だ。ちなみに心理学は両方に跨っているが、どちらかと言えば社会科学よりだ。
1646人の大学教員を調べた。15ドルの謝礼を添付し、36の質問に答えてもらった。自然科学者の38%もが神を否定したのに対し、社会科学者は31%しか神を否定しなかった。
細かく見ると、自然科学の中でも目立ったのは生物学者で41%が神を否定した。これは納得。進化論と神が一致しない案だと考える人は多いもんな。それとは対照的に社会科学の中で目立ったのは政治学者で、27%しか神を否定しなかった。
ガリレオ・ガリレイは天文学者だったので自然科学者と括れる。彼の有名な言葉「それでも地球は回っている」に代表されるように、自然事象を研究すればするほど、従来神が整えていたとされる事象が自然科学の事象だと気付くのは当然だろう。ただそれが直接的に神を否定することに繋がる訳ではないと思うが。
研究の結果自体には驚かないけれど、この研究者がこの研究のために研究助成金を3千万円(28万ドル)も獲得したのが驚きだ。自然科学と社会科学で宗教心が多少違うのが分かったところでそれが世の中のなんの役に立つのだろうか?という疑問を覆すだけの説得力ある助成金願いを書いたに違いない。この研究者がどんな文章を書くのかすごい興味が沸いてきた。
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元のニュース:Natural scientists are less likely to believe in God than are social scientists
検索キーワード:Elaine Howard Ecklund, Rice university, Galileo Galilei And yet the earth still moves!
知的計画とは、宗教的な天地創造説を語る人が宗教色を出さずに進化を説明しようとした仮説だというのが一般的な解釈だと思います。事実、知的計画の擁護者たちは多くが天地創造説からの乗換えだと思います。
でもこの仮説ってとても興味深いです。僕は、遺伝子が世代毎に起きる全くの偶然だけで進化をしているという案の他に、知的計画のような長期的な複数の世代にわたる「方向性」があっても不思議ではないと思います。この「方向性」を彼らは知的計画と呼んでますが、この呼称は宗教色が滲み出ているのが残念です。
要は、知的計画の一部の案は面白いので、今後、進化論の自然淘汰説などと融合して新しい研究が進めば面白いと思います。
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