
39カ国の血液型ごとの人口と自殺率を比べたところ、O型の人口が多い国ほど劇的に自殺率が低く、B型の人口が多いほどその国の自殺率が高かった。
同様の結果が何回もの統計で繰り返し出されている。例えばヨーロッパの国29カ国の男性の血液型別人口と自殺率の関係はO型でマイナス0.38(Pearson r)。つまりO型の男性人口が多い国ほど男性の自殺率が低い。逆にB型だと正負が入れ替わりプラス0.69。B型の男性が多い国ほど自殺率が高い。女性は効果が少ないものの同様の傾向を示した。
ヨーロッパ以外の国10カ国(韓国、タイ、中国など)も傾向は同じだ。男性のO型でマイナス0.53。B型でプラス0.48。O型はどのデータ群でも常に負の相関関係(その血液型の人口が多いほど国全体の自殺率が低い)があり、A型はその半分くらいの負の相関関係。B型とAB型はデータ群によりまちまちだが概ね正の相関関係があった。ただし、このヨーロッパ以外の10カ国では最強(最悪)の血液型はAB型で相関指数はプラス0.77だった。高いねー。
統計のデータでここまで違いが表れるのなんて今まで見たこと無いくらいにくっきりした結果だな。こんなに高いr(相関指数)で正と負が変わるほどなんてすごい統計結果だ。
このデータを単純に翻訳すれば、O型の人は自殺しにくい、または周りの人を自殺させない。B型の人は自殺しやすい、または周りの人を自殺させる、となる。
でも統計結果が信じられないくらいに強い相関関係を示しているんで、かえって疑ってしまうよ。もう少し他の研究者が結果を出すのを待とう。ちなみに僕はO型。なんで何ら疚しいところは無いけどね。
元の論文:Martin Voracek (University of Vienna) Suicide rate and blood groups: An ecological study of 39 nations. Perceptual and motor skills, 204, 99. 896-898.
検索キーワード: 心理学 血液型 性格心理学 ABO式 blood types suicide rate european nations non-european south korea thailand china negative correlation population
血液型と行動との関係でこんだけ結果がでるのは確かに珍しいですね。
でも,なぜそうなるのかの理由付けがとても難しい気がします。
何だか,他の交絡要因(confounding factor)が存在しそうな感じです。
または統計の繰り返しで検定の多重性の問題とか。
これがメディアで血液型性格判断の根拠付けに使われたらちょっと危険ですね。
しつこくてごめんなさい。
基本的に,自殺に関しては,地域や社会経済的要因と関連があることが指摘されています。
なので,国別に検討したらその辺が絡んでくる
んでしょうね。
多分,自分が違和感を感じたのは,記事の中の
>このデータを単純に翻訳すれば、O型の人
>は自殺しにくい、または周りの人を自殺さ
>せない。B型の人は自殺しやすい、または
>周りの人を自殺させる、となる。
これだったんだと思います。~型の人の
集団と自殺との関連ではないので,
ここはもうすこし慎重に翻訳したほうが
よいのではないかと思いました。
一心理学徒として,日本人の血液型ステレオ
タイプにとても危機感を感じるので,
どうしても気になってしまいます。すみません。
血液型については他にも面白い論文があるので別の記事を書こうと思っています。いつになるかは分からないけど。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)