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ウェブの滞在時間で読者の興味を測る
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ウェブサイトやブログの人気の高さを知る方法として最も使われているのは訪問者累計数だ。しかし読者の興味の高さを知りたいのならば、訪問者の滞在時間を調べた方が良いのかもしれない。

この論文によると、被験者にネットでニュースを読んでもらい興味深さを評価してもらった。すると、興味深さの評価とニュースを読む時間の間に強い相関関係が認められた。なので、ウェブやブログの人気の高さを測りたいのならば、読んでいる時間を計るのが一つの方法ということになる。現実的には読んでいる時間というのは計れないので、そのページを表示している時間を計ることになるだろう。

更に統計方法を加味して考えると、表示時間の計り方でもメディアン(中央値)に訪問人数を掛けた数がそのページに対する興味の高さをより忠実に表すだろう。平均値だと、誰か一人が一日中そのページを開いているだけで大幅に変わってしまうので、それは良い計り方ではない。

訪問者数という計り方は別の点で有用だろう。つまり人気度と知名度を考慮した計りに適しているだろう。両者(訪問者数と滞在時間)を適所に使えると良いと思う。

滞在時間の計測ってアメリカのウェブでは偶に見るけれど、日本では使われていないのかな?
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元の論文:Masahiro Morita & Yoichi Shinoda. 1994. Information filterning based on user behavior analyusis and best match text retrieval. Proc. 17th annual ACM SIGIR conf. 272-281.

関連ウェブサイト:
滞在時間の例:balance, mind, body, and soulいちばんしたの「Site Meter」をクリックすると滞在時間(平均だけど)を見れる。

検索キーワード:心理学、認知心理学、ウェブ・デザイン心理学、ソフトウェア心理学、ヒット数、netnews correlation reading subjective rating of interest, 主観的興味深さ, software psychology


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夜生まれは死亡率が高い
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生まれた時間によって死亡する率が違うかを調べた。すると、夜に生まれた子は昼に生まれた子に比べて12%~16%も死亡しやすかった。
330万人(!)の新生児(カリフォルニア生まれ、1992年から1997年)の新生児死亡率を調べた。新生児死亡とは生後28日以内に死亡すること。すると夜に生まれた子は12%から16%もより死亡していた。

細かく見ると、日中に生まれた子の死亡率が一番低かった。その子達に比べて、一日の終わりごろ(夜7時から午前1時)に生まれた子は12%も死亡率が高かった。夜明け前(午前1時から朝7時)生まれは16%も死亡率が高かった。

へえー、なんで?このニュースには理由が書いてない。論文読みたいなぁ。以前から一年の中での違いは言われていた。つまり誕生月によって死亡率が異なる。でも一日の中でも違うんだな。

統計としてはばっちりだな。サンプル・サイズが330万人だと統計的に有意の差は簡単に出てしまうけれど、差がこれだけ大きいと効果量(エフェクト・サイズ)としても意味のある統計結果だろう。

将来この分野がもっと研究されて、一日の中での違いが明白になって、一日の中の星座なんてできたら面白いね。あなた暁座?なら早死にだね、とか、宵の明星座?おっとりしてたりするの?とかね。

----追記-------
なんて思っていたんだが、この研究者は理由の一つを解説していた。それは深夜に生まれた時に問題があって手術などが必要でも、昼に比べて手配がぬるくなってしまう。そういった人員的な問題が理由の一つだそうだ。ごもっとも。

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元のニュース:Stanford University. "Infants born at night have higher mortality rate in first month of life"

関連記事:
しんりの手(アメブロ)誕生月、星座を統計から科学する。1
しんりの手(アメブロ)星座を統計から科学する。2:日照時間

画像引用元:Voyager Guests Gallery

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検索キーワード:心理学、社会学、生物学、Obstetrics & Gynecology, Daine M. Ashton, March of Dimes, "Time of birth and the risk of neonatal death" Jeffrey B. Gould, Stanford University, prenatal motality
ハンズ・フリーでも運転中の携帯は事故率4倍
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車を運転中に携帯電話で話すと事故を起こす確率が4倍あがる。これは携帯を手に持っていても、ハンズフリーで手に持たないでもほぼ同じ事故の危険確率だった。

西オーストラリアに住む特定の人450人にアンケートを行った。この特定のアンケート協力者は、車の所有者で、携帯の持ち主で、過去に車の事故を起こしたことのある人。このアンケートの方法がとても使いやすい理由は、携帯を使用すると通話履歴が分単位で残るので、車の事故と携帯の使用との関係を見つけやすいからだ。

この結果、携帯を使用していないときに比べて、携帯使用中は事故を起こす確率が4.1倍だった。細かく見ると、手に持つタイプの携帯では4.9倍も事故を起こしやすく、手に持たずに使えるタイプの携帯でも3.9倍だった。なので2者間は大差はないが、どちらも携帯を使わない場合に比べて事故を起こしやすかった。

現在、手に持つタイプの携帯電話だけを運転中に禁止している国や地域は多い。その地域は、EU(ヨーロッパ共同体)、オーストラリア、それと一部のアメリカやカナダの州。この実験結果は以前から出ている実験結果と一致するので、信頼性が高い。これらの地域は法律の書き直しを検討することになるだろう。

元のニュース:
University of Sydney "Hands-free car phones no safer"

関連する過去の記事:しんりの手(アメブロ)「車運転中の携帯電話は事故が4倍 その1」

検索キーワード:心理学、 認知心理学、車 運転手、携帯電話、hands-free mobile, driving, cell phone, accident, drivers,British Medical Journal, hand-held mobile phone, Graham Chalker, Australian Mobile Telecommunications Association, Suzanne McEvoy and colleagues, Mobile phones increase risk of having a road crash,
カトリーナで精神的なケアの人員不足
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ハリケーン「カトリーナ」の被災者を助けるために精神的なケアができる人が求められている。

今日、アメリカン・レッド・クロスからうちの大学院に連絡が来た。心の健康を支えられる人が必要だ、と。人員が不足しているらしく、無資格の者でもとにかく助けてほしい。大学院生でも、心理学部在籍でない人でも精神的に被災者を助けられるボランティアが必要だ、とのこと。9・11のテロの時でもこんなに心理関係の人間が求められなかったのに。被災者の人数が膨大なためなのだろうけれど、本当にボランティアが不足しているんだろうな。

僕は金銭的に小額ながら寄付をさせてもらいました。

アメリカン・レッド・クロス
ボランティア、寄付などの情報


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